World Traveling Udon Maker 世界を旅するうどん屋  

【World traveling Japanese handmade udon chef visits your kitchen. 世界を旅する本格手打ち讃岐うどん屋が、あなたのキッチンへ】 Bookings available from all over the world 世界中どこからでも予約お待ちしてます

2018/4 世界を旅するうどん屋のうどんじゃない一人旅紀行 ー鹿児島県屋久島ー

うどんとは関係のない、プライベート性の強い、自由気ままな一人旅紀行コーナーを本ブログに設けることにしました。
世界を旅するうどん屋「谷村うどん」が見てきた世界や出会いを、これまでうどんを食べてくれた方々にお届けできればという思いで書きます。

 

というわけで、先日屋久島に行ってきました。

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実は登山が好きな谷村うどんですが、フィリピン、ベトナムと訪れる中で強烈に「日本の山に行きたい・・・」と思っておりました。フィリピンでは首都マニラを拠点としていたこともあり、排気ガスや騒音が実にハードで、毎日のように「静かなところに行きたい・・・」という気持ちでした。(プエルトガレラというリゾート地にも行きましたが、そこには静寂がありました。ボラカイが閉鎖された今、マニラから車で3時間のプエルトガレラおすすめです。)同様に、ベトナムホーチミンという国内最大規模の都市を拠点に活動していたこともあり、一般庶民のバイク普及率が異常に高いベトナムでも「静かなところに行きたい・・・」と、これまた日々呟いておりました。(静寂を求めてハノイ経由で、ニンビンにも行きましたが、ニンビンの町から外れた田んぼ道をゆけば、さすがにバイク音がなくなり、ホッとしました。)

 

というわけで、日本が誇る自然の宝庫、屋久島です。さぁ、もののけ姫はいるのでしょうか。

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屋久島にある九州最大級の山には、複数の避難小屋と呼ばれる無料無人宿泊施設、という名のかろうじて雨風をしのげるレベルのあらゆる設備を欠いたロッジがありますが(有難や)、寝袋を担ぎその避難小屋を2泊しながら縦走するという、うどん屋らしからぬ、ただの山男のような山登りをしました。ちなみに、日本の4月の標高1900メートルの朝方は、なかなかの寒さです。そして山登りで疲れたおっちゃん達は、かなり高確率でいびきをかき、日が暮れる頃にはいびきのオーケストラです。そんなところで眠りにつこうと踠いていると、「これは一体何が楽しいんだ・・・」と無意識に口から出ていることがある程です。

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翌日早朝に出発すると、後ろから猛ダッシュで日本の若い兄さんが荷物を持たず山を駆け上がっていました。どうやら山小屋に忘れ物をした外国の方がいたようで(といってもプラスチックの鍋の蓋のようなもの)、数分前に出発してしまっていた外国の方を追いかけていたようです。そこまでするか?と問われた時、しない人も多くいるであろうに、朝からダッシュしてるお兄さん「素敵やなぁ」と思っていると、渡せなかったようでトボトボとお兄さんが戻ってきたので、代わりに私めが鍋の蓋を預かりました。「会えたら渡します」と。

 

数年前、北アルプスの山小屋で働いていた谷村うどんは、結構スタスタと山を登ります。案の定、例の外国人に鍋の蓋を渡すことができました。「ありがとう」と感謝されました。(なんと谷村うどんも訪れたことのあるオーストラリア・シドニーの方でした)なんだか朝から、先ほどの日本のダッシュしていたお兄さんの頑張りを見れたこと然り、とても良い気分でした。登山では、こういうことはよくあります。登山の魅力は物事がシンプルになることです。

 

先ほどのオーストラリアの方を追い越し、変わらずスタスタと歩き続けていると、頂上につきました。すると先ほどのオーストラリアの方が追いついてきて、「これお前のか?」と紙のようなものを渡してきました。それは確かに谷村うどんがポケットに入れていた(と思っていた)、山の地図でした。通称・世界を旅するうっかり屋、とも呼ばれるうどん屋は、その名の通りうっかり地図を落としていたのです。

 

その時、なんだかこれは凄いことが起こったぞと思い、微笑んでしまいました。朝のお兄さんの「見返りを求めない無意識下の善意(愛)」が谷村うどんの「見返りを求めない無意識下の善意(愛)」を通じて、オーストラリアの方に鍋の蓋を渡すことに成功しました。その後、誰のかわからない拾わなくても良いくしゃっとなった地図を拾い、谷村うどんのものかどうかという確信がない中、「あなたのものか」と人に尋ねながら登ってきてくれたのです。「見返りを求めない無意識下の善意(愛)」がそのオーストラリアの方にも伝わった証拠だなと思いました。関わった人間の誰もが幸せな気持ちになる連鎖でした。これは谷村うどんがうどんを作るときに話している「ハピネスサイクル(幸福の循環)」の最高のサンプルケースだと感じました。人間の歴史を遡っても、きっとこのような、思いやりとも意識しない、無意識の想いから関係性やコミュニティを育んできたんだろうな、と人間の一番深いところにある本質を見ました。

 

谷村うどんもこんな連鎖と循環を作るきっかけになりたいと思い、うどんの旅を続けております。
さぁ、これを英語に訳すのか?(ぜぇぜぇ)否、無理である。